映畫の構想は 7年前、ある映畫監督と、ある漫畫家の會話から生まれた。その監督とは、現在ハリウッドを拠點に活躍する、『ルパン三世』『あずみ』、そしてジャン・ㇾノ主演『ドアマン』の北村龍平。そして漫畫家は、その作風と世界観で熱狂的なフォロワーを持つ髙橋ツトム。お互いを「盟友」と呼ぶ 2人が「これはどうしても映畫にしなければならない」と共鳴した物語が、髙橋の代表作『スカイハイ』のスピンオフ作品『天間荘の三姉妹』だ。 そこに、社會現象を巻き起こしたアニメーション映畫『この世界の片隅に』のプロデューサー真木太郎と、NHK連続テレビ小説『エール』を手掛けた腳本家の嶋田うれ葉が加わり、映畫化に向けて一気に動き出した。 物語の軸となる三姉妹の三女役には、『この世界の片隅に』の主人公・すずの聲優として高い評価を得た、のん。次女役は、大河ドラマから、映畫、舞台まで様々な作品で強烈な存在感を放つ門脇麥。長女役に、近年數多くの賞に輝き、役者としての表現力と存在感に大きな註目が集まる大島優子という実力派3人が顔をそろえた。そして、舞台は三ツ瀬という町の溫泉旅館、天間荘。 映畫が描くのは、いのち。ひとの生と死、たましい。家族や近しい人たちとのつながり。誰にとっても他人事ではないテーマを、あたたかく、力強く、時に観る者の心に問いかけながら、日常に寄り添う視線から見つめていく。 世界はコロナ禍や戦爭に突入し、人の生き死にが身近に感じられる今、図らずも今まさに観るべきリアルなメッセージの作品が誕生した。